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「家族」「戸籍」「学生時代の友人」「職場の同僚」…既存のコミュニティの枠組み取り払われるなかで他者と「よりよい人間関係」を結ぶために重要なこと

 インターネットが普及し、一人1台スマホを保有する現代ならそれが可能です。普段はオンラインで緩やかにつながっておき、SNSなどを通じてテキストや通話などでコミュニケーションを取りながら、機会があれば集まってやり取りができます。価値観の通じるもの同士のやり取りは楽しいに決まっています。前述した米ハーバード大の研究の通り、これは幸福感や健康の醸成にもつながります。

 さらに天災地変などの非常時には、相互の協力体制も築けるでしょう。例えば北海道で天災地変があった時、他の地域から仮住まいの提供や物資の援助が得られるなど、「災害レジリエンス」を高めるでしょう。災害レジリエンスとは「災害が起きてもそこからしなやかに復興できる力」のことです。国や自治体の災害対応がままならなくとも頼れる民間の力と言えます。それも、平常時から価値観でつながっているからできることです。

 また、相互に「モノやサービスのやり取り」もできるでしょう。例えば東京の人が九州に旅行に行きたくて宿泊先を探す場合、知らないところに泊まるより、普段からコミュニケーションを取っている、価値観の合う人が宿泊施設を持っていれば、そこに泊まる方が安心できるし楽しめると思います。食材を買う場合でも、価値観を共有できた仲間から買う方が楽しいのではないでしょうか。無形のコンサルティング業など広義のサービス業においても同様です。

※長嶋修・著『グレートリセット後の世界をどう生きるか』(小学館新書)より、一部抜粋して再構成

【プロフィール】
長嶋修(ながしま・おさむ)/1967年東京都生まれ。不動産コンサルタント。さくら事務所会長。NPO法人日本ホームインスペクターズ協会初代理事長。国交省・経産省の様々な委員を歴任。YouTubeチャンネル『長嶋修の日本と世界の未来を読む』では不動産だけではなく、国内外の政治、経済、金融、歴史などについても解説。広範な知識と深い洞察に基づいた的確な見立てが注目を集めている。マスコミ掲載やテレビ出演、講演等実績多数。著作に『不動産格差』(日経新聞出版)、『バブル再び~日経平均株価が4万円を超える日』(小学館新書)など。最新刊は『グレートリセット後の世界をどう生きるか~激変する金融、不動産市場』(小学館新書)。

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