「肥満に弱い」日本人は、脂肪が内臓脂肪にたまる傾向がある
実は日本人を含めた東アジア系民族は、肥満に弱いといわれています。太っただけで、様々な病気を合併しやすいのです。例えば、WHO(世界保健機構)ではBMI(体格指数)において、BMI30kg/平方m以上を肥満と規定しています。日本では、25kg/平方m以上を肥満としているのは、「肥満に弱い」という理由からなのです。
脂肪細胞の溜まる場所も日本人と欧米人では違います。欧米人は脂肪が皮下脂肪に多く溜まります、皮下脂肪は皮膚のすぐ下の腹筋の外側にある脂肪細胞に中性脂肪が溜まるもので、主に太ももやお尻など下半身に溜まるため下半身型肥満と言われます。一方日本人は、脂肪が内臓脂肪にたまる傾向にあります。内臓脂肪は腹筋の内側の腸の周囲などに脂肪が溜まるもので、腹部がポッコリ出て腹回りが太くなります。
内臓脂肪型肥満の目安は、内臓脂肪面積100平方cm以上とされていますが、イメージしにくいので内臓脂肪型肥満の判断指標として、腹囲(臍の周り)男性85cm、女性90cmがスクリーニング検査値として使われています。
メタボリックシンドロームというのは、内臓脂肪の蓄積に加え、血圧上昇、血糖値上昇、脂質異常症のうち2つが併用されている場合に診断され、日本では「メタボ」あるいは「予備群」の総数は約2000万人と推計されています。
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