結局Hさんは、激務と人間関係のストレスで心身がもたなくなり、キャリアアップも考えて転職した。充実した日々を過ごすなか、Hさんは「いつの間にかEDが治っていた」と振り返る。
「転職後、気がつくと治っていました。若くてなまじっか体力があるので、睡眠を疎かにしても仕事ができてしまったり、少し休めば治ると楽観視したりしがちなんですが、今思えば、EDという形で体が訴えていたのかもしれないなと思います」(Hさん)
医師に相談するべきと痛感
Hさんは「若くしてEDになるのは恥ずかしいという思いが大きくて、誰にも言えなかった」と振り返るが、一方で「身近な人に相談」したことがアダになったケースもある。フリーターのRさん(27歳男性)が、苦いエピソードを述懐する。
「ED気味であることを友人に漏らしたら、いろんな場でネタにされ、からかわれるようになった時期がありました。『今彼女いないんだから別にいいじゃん』とか、『男として終わったな』などと無責任なこともさんざん言われましたね。真剣な悩みであればあるほど、きちんとお医者さんに相談するべきなんだなということを痛感しました」
病院で薬を処方してもらい、快方に向かったRさんは、「病院に行くと、自分だけじゃないことを先生から教えてもらえるので、すごく心強かった」と言う。
生活習慣の見直しというと中高年以降のもののように思われがちだが、“知らず知らずのうちに無理をしてしまう”若年世代こそ、心身への健康意識が求められる時代なのかもしれない。(了)