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「朝マック」「瞬足」「GoPro」「チョコザップ」…ヒット商品には理由がある 時間、シーン、ブランドを分けることで生まれる新たなビジネスチャンス

不用品を必要な人に譲るなどのシェアリングエコノミーも市場として確立されてきた(写真:イメージマート)

不用品を必要な人に譲るなどのシェアリングエコノミーも市場として確立されてきた(写真:イメージマート)

 ヒット商品が生まれる過程にはいろいろな要素があるが、そのポイントの一つが「分ける」という考え方だという。この「分ける」を具体的にどのように駆使し、ビジネスに活用していけばよいか。著書『「しやすい」の作り方』(サンマーク出版)が話題のコクヨのワークライフスタイルコンサルタント・下地寛也氏が解説する。

「時間」と「シーン」で分ける

 商品開発において、顧客のターゲティングは重要だが、一方で、あまりターゲットをしぼると売上規模が小さくなる心配が出てくる。

 商品ターゲットを単に「性別」や「年代」で分けて考えるのではなく、ここでは「時間」や「シーン」で分けることでヒットした商品を紹介したい。

【1】「時間」で分ける

 まず「時間」ごとに分けて「買いやすい」を作った事例を見てみたい。

 マクドナルドは、『朝マック』や『夜マック』と食事のシーンを意識させるネーミングをすることで、「朝からマクドナルドは少し重たいなあ」とか、「夕食にマクドナルドだと物足りない」といった印象をうまくコントロールしている。「朝食にマクドナルド行こう」というのと「朝マックに行こう」というのでは随分と印象がちがい、行きやすいと感じるものだ。

『PRONTO』は、「昼間」は喫茶店、「夕方」からはアルコールとおつまみ中心のバーという分け方で来客数を安定的に確保している。多くの居酒屋は昼間をランチタイムにしており、夜のメインの時間に対して、昼間はサブ的な扱いにしている。しかし、PRONTOは昼も夜も、どちらもメインでしっかり収益を上げるモデルにしているのがすごいところだ。

 カレー専門店『カレーハウスCoCo壱番屋』はマンガを大量に置いて読めるようにしている店舗がある。

 昼食時は混雑するが、それ以外の時間帯は空いてしまい、それにより客が店に入りづらくなるという問題があったようだ。それを防ぐために、マンガを置いて「お客さんに長居をしてもらう」という戦略を作ったわけだ。

 そんなことをすると昼食時も人が留まって回転率が下がるのではないかと思うが、じつはランチタイムはマンガの棚の前にロールスクリーンを下ろして読めなくしている店もある。うまく時間を分けて集客効果を出している。

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