人生100年時代と言われて久しく、定年後にセカンドキャリアを歩むことも珍しくなくなってきた。キャリアを広げる際に武器となるのが「資格」だ。オンライン授業などを取り入れれば、体力的な負担も減らしながらの収入も期待できる。注目の資格を紹介する。【前後編の後編。前編から読む】
無理せず取得でき、定年後の生活に彩りを与える「稼げる資格」はたくさんある。国家資格に格上げされて人気を集めるのがキャリアコンサルタントだ。同資格を持つ金澤美冬氏が語る。
「主な業務内容はクライアント企業でのキャリア研修や、就職・転職支援、資格取得サポートなど。勤務先はハローワーク、大学のキャリアセンター、自治体の就労支援センターなど多岐にわたります。それぞれ接するお客さんの世代が異なるので、自分の向き不向きを考えて就職先を選ぶこともできるでしょう。
収入の目安は時給2000~1万円程度となり、週3回、3時間働けば月収10万円以上も期待できます」
資格取得にはスクールに通い、学科試験・実技試験の両方に合格する必要がある。試験は年3回実施されており、合格率は50~60%程度であることが多い。「国家資格のなかでは取得しやすい水準」(金澤氏)という。
ITと企業経営の知識を活かすITコーディネータも、合格率が60%程度と高い資格だ。
「ITという言葉で敬遠してしまう人もいますが、実はデジタルの専門知識というよりも、企業の経営支援の知識が重要視される資格です。50~60代で取得して働いている人は多く、前職で管理職や組織のマネジメント業務を経験した人は向いていると思います。60代以上にはITに苦手意識を持つ人が多いので、資格を持っていると同世代より箔がつき、転職や再就職の際に大きな武器になります」(金澤氏)