キャリア

【一覧表】セカンドキャリアの稼げる資格10選 「登録日本語教員」「介護職員初任者研修」「ワインエキスパート」ほか、取得しやすさと費用、稼げる収入の目安

 座学の勉強やオフィスワークが苦手──そうした人向けに金澤氏が挙げるのはフォークリフト運転技能講習だ。

「最大積載荷重1トン以上のフォークリフトが運転でき、倉庫会社や運送会社などから重宝されます。学科講習11時間、実技講習24時間の2つの講習を受講すれば取得できる。必要な期間は4~5日ほど、資格取得のための費用も2万~4万円しかかからず、20万~35万円程度の月収が見込めます」(金澤氏)

 ガソリンスタンドや燃料の保管倉庫などで、ガソリンなどの引火性液体を取り扱うことができる危険物取扱者(乙種4類)も、月20万~30万円の収入が目指せるという。

「危険物に関する法令や消火に関する基礎知識、火災を予防する方法などを学ぶ必要がありますが、スクールに通わず参考書などを使った独学で取得する人もいます。合格率も約40%と比較的高く、1~2か月で合格圏内に達することは十分可能です。こちらも定年退職後に資格を取る方も多い職種です」(金澤氏)

旅行、ワインを仕事に

(以下、図表で「働き方と目標収入で選ぶ『セカンドキャリアの稼げる資格10』」を紹介)

働き方と目標収入で選ぶ「セカンドキャリアの稼げる資格10」

働き方と目標収入で選ぶ「セカンドキャリアの稼げる資格10」

 趣味や生き甲斐をセカンドキャリアにする選択肢もある。

「自分で楽しみながら働ける仕事として、旅行業を選びました」

 そう語るのは、旅行業などを経営するトリップパートナーズの田辺一宏さん(70)だ。

 機械メーカーで海外業務を担当していた田辺さんは、60歳で定年退職後、半年かけて大手資格スクールの通信講座を受講し、旅行業務取扱管理者の資格を取得した。

「セカンドキャリアを考えながら、大学時代にバックパッカーで世界20か国を回るほど旅が好きだったことを思い出した。私は英語も得意だったので、定年後は本当に好きな旅行業に就きたいと思ったんです」

 田辺さんが取得したのは、海外旅行の取り扱いもできる「総合旅行業務取扱管理者」の資格で、合格率は約10%。ハードルが高いと感じる人は、国内旅行を取り扱う「国内旅行業務取扱管理者」(合格率は全国平均で35%程度)を目指す手もある。田辺さんが言う。

「資格を取って旅行会社に勤務する人もいますが、私は旅行会社を起業しました。海外旅行経験の少ないお客さんの旅行プランを一緒に計画したり、旅行に同行して案内したりしています。海外旅行に慣れたお客さんであれば現地集合・現地解散して、自分は周辺国に立ち寄ることもありますね。私の場合、趣味の旅行と得意な語学の組み合わせで、自分の強みが活かせたことがやり甲斐や収入につながりました」

 お酒が好きな人は、ワインエキスパートの資格が再就職に活きるかもしれない。飲食店で勤務している人しか取得できない「ソムリエ」とは異なり、20歳以上なら職業に関係なく受験できる。

「酒販店やデパートのお酒売り場、ホテルのサービス部門などで重宝され、自分も趣味の知識を増やせます。若いスタッフと一緒に働く機会も多いので刺激が得られるという人もいます」(金澤氏)

 資格取得者の実際の声や様々な資格の特性を踏まえ、金澤氏が語る。

「目指す資格を決めるには、取得のハードルや働き方が自分に合っているかの見極めが大切です。せっかく資格の勉強を始めても、難しすぎたり、時間がかかりすぎたりして諦めてしまう人は少なくありません。そのうえで、自分が望む働き方や本当にやりたいことを見つめて、資格取得を目指してほしいです」

 資格は目的ではなく、定年後も充実して生きるための手段なのだ。

前編から読む

※週刊ポスト2024年10月18・25日号

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。