「私のために贈ってくれた」という行為の方が大事
都内のメーカーに勤める40代女性・Bさんは、「むしろイオンの何がダメなのか」と首を傾げる。
「都内ならいざしらず、周辺で花を売っているのはイオンしかない地域もあるでしょう。花束を買いに行ってくれる行為自体が、すでに嬉しい話です。たとえば花が傷んでいるとか、包装紙がそっけないものしかないとかだったら、贈り物には向かないかなとは思います。でもそうでないのなら、買う場所にこだわる意味はないですよね。
もし誰かに買いに行ってもらって、その人がイオンで買ったことに不満を言う人がいるとしたら……最初から自分で買いに行ってほしいな、と私なら思っちゃいますね」
職場で贈る花束は「贈る側の都合」
「そもそも、職場で贈る花束は難しいと思う」と話すのは、歓送迎会などで花束が贈られるのをよく見るという飲食店スタッフの30代女性・Cさんだ。
「職場で贈る花束って、どちらかというともらうほうのことを思ってというよりは、贈るほうの都合という気がするんです。
というのも私は飲食店で働いている時、結構な数の歓送迎会などで花束が渡されるシーンに立ち会ってきましたが、割と忘れて帰るお客さんがいたり、もらったもののいらないとか、家に花瓶がないといった理由でお店に置いて行こうとしたりするお客さんも結構いました。つまり、もらったほうは、一瞬は嬉しいかもしれないけど、その後の愛着はあまりないというか……。
いずれにせよ持ち帰るまでに花はどんどん元気がなくなっていきますし、酔っ払っている状態では花束の扱いもぞんざいになってしまいがち。贈る側が感謝やねぎらいを形として相手に示す象徴が花束ということであって、相手の事情はあまり関係ないんだなといつも思います。だから、イオンで買うのは贈る側の都合。便利なところにイオンがあったとか、イオンにいい花束が売っていたとか、理由はいろいろでしょうけど、もらう側や、購入代行をお願いした人がそれにとやかく余地はないんじゃないかな」
ただでさえセンスの問われる花束。少なくとも“どこで買うか”を大事にしたい人は、他人任せにしないほうが無難そうだ。(了)