相変わらず、海外からたくさんの観光客が溢れている東京の繁華街。休日ともなれば渋谷、新宿、池袋などは国内の買い物客と海外からの観光客とで大混雑になっている。そうしたなかで浮き彫りになっているのが、カフェなどの休憩場所が足りないという問題である。外食チェーンに詳しいフリーライターの小浦大生氏はこう話す。
「渋谷や新宿はカフェチェーンの店舗数も多く、休憩のためにお茶をする場所なんていくらでもあるように思えますが、休日はどのカフェもフルタイムで満席状態。注文カウンターの前に行列ができるのは当たり前ですし、空席を探して店内をウロウロと歩いている人も多い。ファミレスも入店を待つ行列が常にできている状態です」
モニターの “お待ちのお客様”は30組
都内に住む会社員のAさん(30代女性)は今年の夏のある土曜日のこと、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催されたコンサートに友人と一緒に行った際、カフェを求めてさまよう羽目になったという。
「コンサートの前に渋谷で友人とお茶でもしようということになり、開演1時間前くらいに私が先に渋谷公会堂近くのカフェに入って、そこで友人と待ち合わせをすることになったんです。ある程度覚悟はしていましたが、実際は想像以上でした……」
付近のカフェを何店か回ったAさんだったが、どこにも空席はない。数件目に訪れたカフェで偶然1組の客が退店の用意をしていたので、ひとまずその席を確保したが、今度は「オーダーがなかなか出てこない」という事態に見舞われる。
「そのカフェはセルフレジで注文して、ドリンクができたら番号が呼ばれてカウンターで受け取るというシステムでした。セルフレジには4人並んでいて、注文に時間はかからなかったんですが、そこからがたいへん。カフェオレ1杯を頼んだだけなのに、待てど暮らせど全然番号が呼ばれない。モニターに映された“お待ちのお客様の番号”を確認したら、なんと30組くらいが待っているんです。結局、私の番号が呼ばれたのは注文してから30分ほど経ったころでした。
あとから合流した友人も注文しましたが、やはりドリンクが出てくるまで30分くらい待ちました。延々とドリンクを待つ羽目になって、逆に全然ゆっくりできませんでした」