「グリーン車は清掃員が車内を掃除しますが、東京駅の折り返し時間は最短2分。そのため、自動回転する椅子を導入して時短を図りましたが、新幹線の清掃員が掃除を7分で終えるのさえ“奇跡”と呼ばれているのに、正直2分で何が出来るのか。料金に見合うサービスが提供出来るかどうか、中々高いハードルです。
また、湘南新宿ライン、上野東京ライン、横須賀・総武快速線などは途中駅で適度に乗客が入れ替わりますが、中央線の下り方面は恐らく始発の東京駅でほとんど座席が埋まり、新宿から乗っても座れない可能性が高い。グリーン車のシステムを知らず、『グリーン券を買ったのに座れない』と嘆く客も続出しかねません」
「ホームドアの整備が先では?」
一方ではこんな声もある。中央線沿線在住歴30年以上のYさん(50代/女性)は、こう語る。
「中央線はとにかく人身事故が多い。さらに新宿や御茶ノ水、東京駅などは乗客が多い割にホームが狭い。それなのにホームドアがない。『グリーン車よりホームドアが先でしょ』って思っちゃいます。
ただでさえ人身事故でよく止まったり遅れたりするのに、何もなくても中央線は遅れることが多い。ウチの子供が通う学校は、中央線の遅延証明書は15分以上じゃないと認められません。中央線があまりにしょっちゅう遅れるから、“遅れる前提で行動せよ”ということだそうで、生徒手帳にもハッキリ明記されています。グリーン車には乗ってみたいですが、それよりも電車が遅れない方がありがたいです」
中央線快速のグリーン車サービスは2025年春に本格スタートの予定だが、混乱なくスタートできるか。(了)