●【基本メソッド9】意識分散
投資をしていると、必ずマーケットの下落局面に遭遇します。私は暴落相場では数日間ポートフォリオを一切見ません。 日経平均株価やNYダウ(ニューヨーク・ダウ)、S&P500など指数すら見ないこともあります。
下落局面でそのような値を見たらガッカリするとわかっていながら、わざわざポートフォリオ、指数、株価を見に行く必要などないのです。そして、投資以外に意識を向けます。
普通に生活していると投資以外にもやらなければいけないことがたくさんありますね。それを普通にこなすのです。これが「意識分散」です。
下げている値を見ないので怖さが和らぎます。怖くなって狼狽売りする機会もなくなります。どんなときも、できるだけ「ぐうたら」でいるためには、平常心を保つことが大切です。ですから、必要ない情報を視界に入れない方がいいのです。
長期投資なのですから、目先のマーケット全体の動きなど気にせず、都合の悪いことには蓋をするくらいの意識で大丈夫です。
ただし、マーケットの下落局面をチャンスと捉えて、追加投資を考えている場合は、この限りではありません。
●【基本メソッド10】コア・サテライト戦略
個別株のみの投資ではリスクを取り過ぎていると感じる人もおられるでしょう。ごもっともです。そう感じる方はコア・サテライト戦略をとりましょう。
コア・サテライト戦略とは、投資先をコア(中核)とサテライト(衛星)に分けた投資戦略のことです。コアは「守りの資産」で、長期で安定的に運用が期待できる投資先を選びます。対して、サテライトは「攻めの資産」で、コアよりリスクを取ることで高いリターンを求める投資先を選びます。
具体的には、コアを投資信託やETF、サテライトを個別株にするのです。 (実際には、人によって、コアおよびサテライトの投資先は異なります。老後資産が充分にできたら、コアを日本の個人向け国債や金/ゴールドとする方もおられます)。
ETFなら、個別株に配当金があるのと同様に分配金がありますので、投資信託よりETFのほうが私は好きです。コアとして投資信託もしくはETFで市場平均を得て、サテライトとして個別株で+αを狙います。そうすることでポートフォリオ全体では市場平均の上を取りに行くのです。
キーワードは「コア・サテライト戦略」です。
「ぐうたら投資」では、投資先をコアとサテライトに分散します。こうして、いろんな切り口で分散を行って、リスクをコントロールし、あなたが「ぐうたら」できるようにします。
サテライトで個別株に投資して、経験を積み、成果が上がって自分に向いていると思えば、個別株を主体(コア)にしても構いません。
するべきことをたくさん上げましたが、徐々に慣れてくださればいいのです。
「分散」だけでも切り口が多すぎるように感じられるかもしれませんが、投資を始めると意外に馴染んでくるものなのでご安心を!
ここまで記述した内容には、必ずしもしなくていいことも含まれており、その都度その旨を記述しておきました。できることから少しずつ始めればいいのです。焦る必要はありません。ぐうたらでいいんです。
(前編から読む)
※桶井道・著『おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』を元に一部抜粋して再構成
【プロフィール】
桶井道(おけい・どん):個人投資家(投資歴25年)・物書き。1973年生まれ。世界中の優良株・ETF等を約100銘柄保有し、高配当株および増配株を買ったら放置する「ぐうたら投資」を極めてから資産成長を加速させる。2020年に資産1億円達成すると同時に早期退職を実現、2024年にはピークで資産1.9億円に到達。最新刊は『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現!おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)。
新刊『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現!おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)では、世界の優良銘柄100選がカタログ形式でまとめられ、桶井氏が各銘柄を詳細に分析・解説。株価チャートおよび売上高・利益・配当金などの数字はマネックス証券の情報を引用して網羅されているので、企業データの研究にも最適。