新NISAの影響もあり、活況を呈する日本株市場。しかし、今夏の大暴落などを見て、株式投資を始めるのに躊躇する人もいるかもしれない。そうしたなかで、高配当株・増配株を長期保有する「ぐうたら投資」で資産1.8億円を築いたおけいどん(桶井 道)氏は、「個別株投資を始める前の選択肢として、ETF(上場投資信託)がある」と考える。
ETFはどういった投資商品でどんなメリットがあるのか。新刊『おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』より、ETFの魅力と注目のETF銘柄を紹介する。
目次
ETFとは「上場している投資信託」
個別株を細かく見てられないよ……という方には、ETFという手段も有ります。ETFを1つ持つだけで分散投資が可能であり、そこは投資信託と同じです。
もう少しわかりやすく説明します。あなたが、あるETFを1万円買ったとして、そのETFには日本株の高配当株が組み入れられているものとします。
仮に、組み入れ銘柄の1位が三菱商事で比率が10%、2位がNTTで7%、3位がオリックスで5%としましょう。あなたは、そのETFに1万円投資していますので、三菱商事に1000円、NTTに700円、オリックスに500円……投資したことと同じになります。
端的にいえば、各組み入れ銘柄からはETFに配当金が支払われ、あなたはETFから分配金が貰えます。
投資信託とは違い、ETFには原則として「分配金再投資型」が存在せず、ほぼ必ず分配金が支払われます(金[ゴールド]に投資するETF等、分配金が出ないものもあります)。分配金が出るのはETFのメリットです。
このように1つ持つだけで分散投資ができて、分配金が支払われるという点では、ETFは、投資信託と個別株のいいとこ取りと言えるでしょう。
ETFは「上場している投資信託」です。東京証券取引所に上場しているETFを東証ETFといいます。株式と同じように上場しているのです。
これに関連して、ETFと投資信託のもうひとつの大きな違いを説明します。それはプライスの決まり方です。投資信託のプライス「基準価額」は、運用会社が運用資産の時価を計算して、「平日に1日1回だけ」付けられます。