【ステップ5】「キャッシュ・フロー」を確認する
「営業キャッシュ・フロー」および「フリー・キャッシュ・フロー」を確認します。キャッシュ・フローとはその名の通り、現金の動きです。
営業利益は会計上の概念で、必ずしも現金の動きとは一致しません。利益がたくさんあっても、現金が手元にそれほどないケースは決して珍しくありません。ですから、営業利益が成長していることだけではなく、キャッシュ・フローの変化にも目を配ることが大事です。
私が特に重視しているのは、営業キャッシュ・フローおよびフリー・キャッシュ・フローの2つが伸びているかどうかです。
営業キャッシュ・フローとは、企業が儲けて実際に入ってくるお金のことです。フリー・キャッシュ・フローとは、営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを差し引いた数字です。
投資キャッシュ・フローは、土地や建物、設備などの固定資産の購入・売却、有価証券や投資有価証券の取得・売却など、将来に向けた投資などのためにキャッシュがどれくらい増減したかを示すものです。投資を行うとマイナスに、所有する資産を売却するとプラスになります。しかし、企業が成長するには設備投資が必須なので、マイナスが悪いわけではありません。
つまり、フリー・キャッシュ・フローは、「企業が自由に使えるお金」なのです。お金があれば、従業員の採用や昇給、他社の買収など、更なる業績成長を視野に入れた使い方ができるということです。