持続可能な「仕組み化」の最適解は、配当金生活
心配事を言い始めるときりがありませんが、内閣府発表の「令和4年版高齢社会白書」によると、75歳以上の高齢者が要支援か要介護になる割合はおよそ3人に1人です。この数字を見ますと、判断能力が落ちる、目や手が不自由になるというのは決して他人ごとではないことがおわかりいただけると思います。
また、年齢とともに、このリスクが上がることも容易に想像がつきます。たとえば、「今のあなた」は『バール』と『パール』の見分けが付くでしょう。それがわからなくなるのが「老い」です。
従いまして、これからの時代には、持続可能な「仕組み化」された投資法が好ましいでしょう。個別株やETFから配当金(分配金)をチャリンチャリンと貰って、生活費にすることが私のファイナル・アンサーです。
この方法なら、高齢になって個別株が不安ならETFに全シフトする、または優良個別株のみを残して多くをETFにシフトすることで持続可能です。ものすごく多くの個別株に分散投資することで一つひとつの影響度を低くすれば、それも選択肢になるかもしれません。
ただし、私は投資信託がまったくダメと言っているわけではありません。お金を増やすということに注目すれば、投資信託は良い金融商品です。分配金を出さずに自動で再投資してくれる投資信託なら、効率的にお金を増やせると思います。そこは否定しません。
ですから、今が資産形成期で、新NISAのつみたて投資枠やiDeCo などで投資信託の積み立てをしている人は、やめずに続けてください。
私は金額の目標も決めています。現在、資産1億8000万円+年間配当(手取り)240万円(2024年見込み)です。これを、60歳までに、資産2億円以上+年間配当300万円まで伸ばします。
月額にして、配当金25万円+公的年金11万円(早期退職しましたので金額が少なくなります)で生活する計画なのです。配当金を「じぶん年金」として位置づけて、育てています。
この60歳時点の目標と現状のギャップをどう埋めるのかを常に考えながら行動しています。こうすることで、目標とベクトルと行動が一致します。このゴールベース思考が大切だと思います。
(後編につづく)
※桶井道・著『おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』を元に一部抜粋して再構成
【プロフィール】
桶井道(おけい・どん):個人投資家(投資歴25年)・物書き。1973年生まれ。世界中の優良株・ETF等を約100銘柄保有し、高配当株および増配株を買ったら放置する「ぐうたら投資」を極めてから資産成長を加速させる。2020年に資産1億円達成すると同時に早期退職を実現、2024年にはピークで資産1.9億円に到達。最新刊は『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現!おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)。
新刊『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現!おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)では、世界の優良銘柄100選がカタログ形式でまとめられ、桶井氏が各銘柄を詳細に分析・解説。株価チャートおよび売上高・利益・配当金などの数字はマネックス証券の情報を引用して網羅されているので、企業データの研究にも最適。