日本気象協会の「紅葉見頃予想」では、全国的に平年並みか遅くなる模様。そこで、美しい景色を眺めつつ、地元の旬が味わえる全国の極上列車旅を厳選。前編では東日本の紅葉グルメ列車を紹介する。【前後編の前編】
目次
コース料理があるプランは乗車区間を長めに取って食事を楽しむ
「そもそも、列車が単なる移動手段ではなく目的化したのは2010年代以降のこと。流れる景色を眺めながら食事を楽しむ体験は列車ならでは。登場以来人気が続いています」
そう話すのは、旅行ジャーナリストの村田和子さん。
車内に厨房がある列車や、地元の旬の食材を使った料理や有名シェフの弁当を出す列車など、食事はバラエティーに富んでいる。
「コース料理があるプランだったら乗車区間を長めに取って、食事をゆったり楽しむといいでしょう」(村田さん)
「紅葉写真を撮るなら、福島県・新潟県の只見線や岩手県・秋田県の北上線が有名ですが、紅葉と美食の列車を選ぶなら岐阜県・長良川鉄道の『ながら』や福島県・会津鉄道の『お座トロ展望列車』など地方鉄道も穴場です」(鉄道写真家・久保田敦さん)
以下、おすすめの東日本の紅葉グルメ列車を紹介していこう。
※各列車データの丸数字は【1】運転区間、【2】運転日、【3】料金(特に表記がない場合は、運賃を含む大人1名食事付き)を指す。
※料理メニューの内容は季節・時期で変わる場合があります。
※運行日・運行区間・料金・時刻は変更になる場合があります。(記載情報は2024年10月10日現在)
新潟県 えちごトキめきリゾート 雪月花/えちごトキめき鉄道
《車窓に広がる国内最大級の海山風景と新潟の食を堪能》
新造車両で窓の大きさも国内最大級。「風光明媚で雄大な車窓を愛でながら食事をいただく体験は、“動くグランピング”的な開放感と優雅さがあります」と村田さん。神社の鳥居にも使われる銀朱色の車体は風景に調和し、地元漁港直送のべにずわいがになど旬の食材を生かした食事や、ローマ教皇にも提供したというティラミスのデザートは絶品。絶景ポイントでの徐行や地元の人たちが手を振ってくれる光景に心がほっこり。
先頭車両の全面ガラス張りハイデッキは天空も一望。海山を走る途中にはトンネル地下駅や駅弁売り、絶景など見どころ多し。
■DATA
【1】上越妙高駅~妙高高原駅で折り返し~糸魚川駅【2】12月15日まで土曜・日曜・祝日を中心に、午前と午後の2便【3】通常プラン(食事付き)2万4800円
写真提供/えちごトキめき鉄道