普段着のまま始めたウォーキングで減量成功
とはいえAさんは、体力の衰えを感じ、健康維持・体力回復のために運動をしなければいけないと思うようになった。
「40代半ばになって、体重が増えてきました。3年で10kgぐらい増えたので、多少戻さなくちゃと思い、なんとなくウォーキングを始めてみました」
過去にジムに入会したときは、ほぼ毎回新たなトレーニングウェアを購入し、それなりに“気合い”を入れて挑んでいたAさん。今回のウォーキングでは、特に新しいアイテムを揃えることもなく、日常着と愛用のスニーカーでそのまま出かけた。
「家から歩いて20分の公園に行って、そこのランニングコースを何周もグルグル歩くだけです。ラジオや音楽を聴きながら歩いていて、1週間に3~4日程度のペースで、数カ月かけて徐々に5kg落とすこともできました。気負わず、ゆるい運動が自分に合っていたんだと思います」
形から入らなかったことで自分のペースを保てた
Aさんが今回ウォーキングを続けられている秘訣は、ズバリ「形から入らなかった」ことだという。
「『会費の元を取ろう』とか、『せっかくウェアを買ったんだからちゃんと使わないと』といった気持ちが一切ない。形から入ることで、自分のモチベーションを上げる人もいるとは思いますが、私の場合は全くの逆。ジムへの入会やウェアという“形”にしばられないことで、自分のペースを保てたんだと思います」
運動は継続してこそ価値がある。継続できない理由は、案外“形から入ればやる気になる”と思い込んでいるからなのかもしれない。(了)