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【ブームから35年「ヘビメタ」の現在地】バンドもファンも世代交代進まず高齢化 ライブ会場は2階の椅子席から埋まる現実 「昔は皆でヘドバンしたけど…」

60代を迎えてなお元気(IRON MAIDEN。Getty Images)

60代を迎えてなお元気(IRON MAIDEN。Getty Images)

平日なのにCDショップが異常に混む理由

 前出のMさんは、IRON MAIDENのライブについて「メンバーのエネルギッシュさは当時と全く変わらなかった」というが、加齢による衰えを隠せないアーティストもいるという。

「IRON MAIDENはメンバーの平均年齢が60代ですが、メタル界には70代を超えていまなお現役を続けるバンドもあり、見ている方が不安になる瞬間もあります。1曲終わるごとに肩で大きく息をしたり、ギターやベースの重みでフラフラしたり、1万回は演奏したはずの曲を間違えたり……。曲のキーが明らかに下がっていたり、疾走感が命の曲のテンポが遅くなっていたりしてガッカリすることもありますね。

 年を取っているのは客席も同じこと。プロモーターの話では、1階がスタンディング、2階が椅子席という会場だと、2階から先にチケットが売れていくそうです。ただ、年齢が上がった分だけ物販の買い方は豪快で、カードで5万円、10万円と“大人買い”する客も珍しくないとか」(前出・音楽ライター)

 さらに、こんな現象もあるという。

「ある時メタル専門のCDショップに行ったら、平日なのに異常に混んでいるんです。店員に聞くと、『年金支給日だったからですよ』とのこと。確かにメタル第1世代は70年代に10代~20代だった人なので、とっくに年金を貰っていてもおかしくありません。中には『(年金支給日の)15日に払うから』と、取り置きを頼む客もいるそうです」(同上)

 12月にはIIRON MAIDENと並ぶメタル界の雄・JUDAS PRIESTの来日公演も控えている。メタル熱が復活したMさんはこちらのチケットも購入したが、ボーカルのRob Halfordが73才だということを知り、もっぱら「無理はしないで」と願う心境だそうだ。(了)

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