【要因2】ビッグイベントを通過した安心感
総選挙などの大きなイベント前は、持ち高調整の売りや先行きの不透明感から上値が抑えられる傾向があります。しかし、イベントを通過することでリスクを取る方向性が見えやすくなることは事実です。
今回の選挙翌日の始値は3万7757.97円と、前営業日比で▲155.88円と下落して始まりましたが、警戒されていたほどネガティブな反応にはなりませんでした。
さらに寄り付きが大底となって上昇に転じたため、イベント通過の安心感からリスクオンの動きに傾いていった可能性があります。
【要因3】石破首相退陣で高市氏への期待も
大幅に議席を減らした自民党内では、石破茂首相や党幹部への責任論が浮上する可能性が高いと考えられます。総裁を辞任するか否かは石破氏本人が決めることであり、現状は続投の意向を示しているものの、辞任する可能性もゼロではありません。それだけ厳しい結果になったということです。
仮に責任を取る形で辞任となれば、総裁には、前回の総裁選の決選投票で惜しくも敗れた高市早苗氏が有力候補として浮上することも意識されます。
高市氏は、以前の総裁選時にはアベノミクスの後継者と呼ばれ、積極的な財政政策と金融緩和の継続により日本経済の景気を支える姿勢を明らかにしていました。
常に先を読む株式市場がこうしたシナリオまで見越しているとするならば、円安・株高の反応にもある程度納得がいくところです。