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「若い頃は言わなかったよね…」60~70代で“見た目の若々しさ”を自慢する人はそれ自体が老いの証拠? わかったうえで勘違いして自分を奮い立たせる人たち

オバ記者こと野原広子さんが“老いの受け止め方”を考える

オバ記者こと野原広子さんが“老いの受け止め方”を考える

 誰にとっても避けられない老い。自分では若いつもりでも、さまざまな老化現象が表れてくるから年を取ったと実感することもあるのでは。“老い”というものの受け止め方について、『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんが綴る。

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 高齢社会というけど、それは統計上のこと。多くの60代、70代は「他人は年をとるけど、私は年齢不詳」と思っているんじゃないか。そう思うことが重なったの。

 先日、都内某所で「もしかして野原さん?」と声をかけられたのよ。「C子よッ。ホラ、よく喫茶店でタバコを吸いながらおしゃべりしたじゃない」と言われ、「わぁ~っ!」。手に手を取って懐かしがった、次の瞬間。

「まだライターとか、やってるの?」と聞かれたから「相変わらずだよ」と言うと、「いや~、あまりに体形が変わっていたから、最初、誰かわかんなかったわよ」と、私の体を上から下まで二往復、なめ回すように見るではないの。

 言うだけあって、C子は25年前と同じスリムな体形でスリムパンツをはいているけど、見たら膝が曲がっている。背中も丸まってて、髪は地肌が見えるほど薄い。さらに濃い化粧をしているから魔法使いのおばあさんみたい……なーんてことは言えないから、「50代初めにタバコやめて10kg太ったのよ」と言うと、「いやぁ、10kgどころじゃないでしょ」って、またガン見よ。「あはは。まあね」と笑ってみせたけど心は穏やかじゃないって。

 話を終わらせたいから、「C子は体形、変わらないわね」と言うと、「このパンツ、35才のときのよ。洋服は娘と共有だしね」と鼻高々。「いいなぁ。うらやましいな」と言うと、ふと真顔になって、「てかさ。顔にそんなに大きなシミ、あったっけ? ちゃんと手入れしてないんじゃない」と穴が開くほど顔を見られた。そりゃまあね。67才でスッピンで歩いていた私も悪いわなと思いつつヘラヘラ笑って別れたけど、気分が悪いったらない。

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