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何かと話題の「ロックTシャツ」の流儀 「聴かないけど着るはアリ?」「海外製はサイズがバラバラすぎる」「背中のデザインが酷い」…長年の愛好者たちの声

ロックTシャツは世界中で人気(ブルース・スプリングスティーンのTシャツを着るファン。AFP=時事)

ロックTシャツは世界中で人気(ブルース・スプリングスティーンのTシャツを着るファン。AFP=時事)

 最近のファッショントレンドを語る際、注目アイテムの1つが「ロックTシャツ」である。今年5月放送の『クレイジージャーニー』(TBS系)にヴィンテージTシャツバイヤーが登場し、300万円の価値があるロックTシャツを紹介。一方、6月にはアラフォー女性がロックTシャツを着るのが“イタい”という論争がネットで沸き起こり、荻野目洋子がXに「何ならおばあちゃんになっても着ていたい」と投稿するなど、何かとロックTシャツが話題になるのだ。

 番組で紹介されたTシャツは伝説的ロックバンド「NIRVANA」のものだったが、高値が付くTシャツには特徴があるようだ。日頃からからロックTシャツを愛用する音楽ライターが言う。

「古着のロックTシャツが高くなっているのは知っていましたが、何百万円もする物があるとは驚きました。音楽好きの間ではマイナーなバンドのTシャツを着ている方が偉いみたいな感覚もありますが、『クレイジージャーニー』を見る限り、傾向としては超有名バンドの超レアTシャツに高値が付くようですね。元々は価値が出るなんて誰も思っていなかったので驚いています。

 ただ、ニセモノが紛れ込まないかどうかはどうなんでしょう? 海外のロックバンドが、Tシャツを何枚作って何枚売れたかを正確に把握しているなんて考えられません。ライブ会場は常にカオスですし、スタッフや関係者に配るのは当たり前。ニセモノも死ぬほど多い。ライブが中止になって、作ったのに売らなかったなんてこともしょっちゅうです。

 数年前、知り合いの海外の映画監督から『○○のドキュメンタリー映画を作るから古いロックTシャツを貸して欲しい』という連絡があったんです。結局、貸さずに済んだのですが、映画を見たら要望されていたTシャツが出てきたので、『どこで見つけた?』と聞いたら『作った』と。実物を見せてもらいましたが、ヨレヨレに加工されていて“ホンモノ”と見分けはつかず、画面に映らないタグまでそっくりだったので、ヴィンテージ業界のニセモノ対策は大変でしょう」

 アパレル関係者によれば、印刷方法や生産地などで判断するというが、真贋を見極めるのが難しいのは骨董品と同じ。一方、Tシャツを作って売る側の某メタルバンドのリーダーは、バンドTシャツについてこう話す。

「枚数や色にもよりますが、Tシャツ1枚の原価は1200~1300円ぐらい。来日したバンドが途中でTシャツを売り切ってしまい、日本で慌てて作ることがありますが、特急便でやっても2000円強ぐらい。それを4000円とかそれ以上の価格で売るんですから、Tシャツの売上は本当に大事です。数百人程度のキャパのライブハウスを回るバンドのメンバーはギャラも雀の涙なので、『俺達はTシャツ屋だ』というのが万国共通の自虐ネタです」

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