近年、リユース市場の活況とともにファッション業界で大きなブームとなっているのがヴィンテージTシャツだ。主に1980年代から1990年代に流通していた音楽、映画、アニメなどのカルチャー系の古着Tシャツが、数万円から数十万円の高値で取引されている。
5月27日放送のTBS系『クレイジージャーニーSP』では、ヴィンテージTシャツバイヤーの岩谷幸舗氏が、タイのバンコクで開催される世界最大のヴィンテージTシャツイベントに買い付けに行く様子に密着。世界に7着しかないといわれる、300万円の価値があるというロックバンド「ニルヴァーナ」のTシャツを買い付けるまでが放送された。また、お笑いコンビ「かまいたち」の山内健司はヴィンテージTシャツにハマっており、300枚くらいを所有しているとテレビ番組などで告白。所有するものなかでもっとも高価なものは『AKIRA』のTシャツで、80万円ほどで購入したという。
さまざまメディアでも取り上げられる機会が増えているヴィンテージTシャツ。しかし、そんな状況を上手く飲み込めないでいるアラフィフ世代は少なくないようだ。
都内に住む会社員のAさん(48歳・男性)は10代のころから音楽好きで、当時から海外アーティストのTシャツをよく着ていたという。
「たまたまネットでヴィンテージTシャツの記事を見ていたら、昔自分が着ていたTシャツが5万円くらいで取引されていて、びっくりしました。そのTシャツはだいぶ前に着なくなってもう捨てちゃいましたが、もし今まで持っていたら、いいおこづかいになっていたんだろうな……なんて思いましたね。
でも、ヴィンテージTシャツとかいっても、しょせん “ボロボロのバンドTシャツ”じゃないですか。それがいま価値があるというのは、ちょっと信じられない部分もあります」