肌寒くなり、おでんのおいしい季節がやってきた。おでんといえばコンビニの冬の風物詩だが、以前と比べると購入に消極的になっている人もいるようだ。コロナ禍の感染対策でレジ横の鍋が撤去されたことで、“コンビニおでん離れ”をしてから戻っていない人もいる。おでんを買う機会が減った人たちに、それぞれの本音を聞いた。
「70円均一」があった頃がなつかしい
IT企業勤務の40代男性・Aさんは、コンビニにおでんが登場する時期になると、「チラッと見るけど、値段を確認すると躊躇するようになった」と話す。
「今、たまごが140円なんです。昔はその半額の70円くらいだった覚えがあります。いろいろなものが値上がりしていますが、コンビニおでんもずいぶんと値上がりしました。残業中に癒しをくれる仕事メシとしてだけでなく、プライベートでも深夜に小腹が空いたときによく買っていました。
5年くらい前には『70円均一』セールがありましたよね。3、4年前にそれが80、90、100円均一になり、今ではセールを見かけても20円引き……。前は『5品買って400円ぐらいだったらコスパがいいな』というイメージだったのですが、今は同じ値段で確実に1品は減る。手が届きにくくなったなあ、というのが本音です」
セブン-イレブンのおでんの価格は、1個あたり120~195円、ファミリーマートは130~198円、ローソンは110~228円(沖縄限定含む)だ。
「どうしてもコンビニおでんが70~80円の感覚が抜けない」というAさんは、今の価格をまだ受け入れにくいという。
「具材にもよりますが、たとえばセブン-イレブンで大根(120円)、白滝(120円)、はんぺん(130円)、たまご(140円)……となんとなく頼むと、500円を超えてきます。食の価値観は人それぞれですが、私はそれなら、ほかのものを食べた方がいいと考えてしまいます」(Aさん)