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「中学受験全落ちしました」経験者が振り返る当時の思い 「勉強はムダだと思うように」「母が塞ぎ込んだのがショック」…無謀な志望校選びがその後の人生に影響も

中学受験の勝者がいれば、敗者もいる(写真:イメージマート)

中学受験の勝者がいれば、敗者もいる(写真:イメージマート)

 首都圏では今年、中学受験率が22.7%と過去最高をマーク。名門校の優れた教育環境や、付属校なら大学までエスカレーターで行けることなどが人気の理由となっているようだが、勝者がいれば、当然敗者もいる。滑り止めを用意していても全ての受験に失敗し、不本意ながら公立中学への進学を余儀なくされた受験生がいるのも現実だ。

 中学受験に“全落ち”して公立中に進学した人たちは、当時の経験をどう受け止め、その後はどんな人生を過ごしているのか。当事者たちの本音を追った。

全敗で思い込んでしまった「塾や勉強はムダ」

 都内の中学を3校受けるも、全敗した経験をもつMさん(20代/男性)。受験は親の意向だった。父親が中学受験経験者だったことや、母親も「個性を伸ばせる学校に進学させたい」という教育方針があったこと、複数のママ友の子供が塾に通っていたことなどが、その決断を後押しした。

「母から『○○学園は素敵なところだよ』『そのためには塾に行こう』と“勧誘”され、特に異論もなくなんとなく塾に通い、受験しました。ただ、親には悪いですが、自分としては『落ちても公立には行ける』と思っていたので、全て落ちてもメンタルはノーダメージでした。これでもう塾に行かなくても済むといった解放感さえありました。

 もちろん、塾に行ったところで勉強しなければ成績が上がるはずもないのですが、僕は『塾に通っていれば自動的に合格する』と勘違いした挙げ句に落ちたので、『塾や勉強はムダ』と思い込んでしまった節があるかもしれません。

 その後はノー勉で行ける範囲の高校へ行って卒業。親も、“この子にお金をかけてもムダ”と思ったようで、大学進学については『お金がないから、国公立以外はやめて』と早々に宣言されました。そんなの無理なので、大学は諦め、今は実家暮らしでフリーターです」(Mさん)

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