来年1月には新NISAの非課税枠も更新される
マーケットバンク代表の岡山憲史氏は「大統領選の最中にあった“危機”を乗り越えたことが大きい」と強調する。
「オルカンもS&P500連動型も、7月末から8月はじめの急激な円高・ドル安に伴う株価急落時に一時的に基準価額の急落が起こりましたが、すぐに回復した。そのことから、かえって投資家の信頼感が高まり、9月以降も個人投資家の購入が続いています。大統領選の決着を受けて個別の業界、銘柄では大きな上下動があるかもしれませんが、市場全体の指数に投資する海外投信への投資トレンドは衰えることなく、来年以降も中長期的に続く可能性が高いと思われます」
新NISAの非課税枠は毎年更新され、来年1月には新たに「つみたて投資枠」120万円と「成長投資枠」240万円の合わせて年間360万円まで非課税で投資できる。
今後の投資先選びについて、前出・岡山氏はこう続ける。
「S&P500連動型は米国の主要企業500社に投資するため、米国経済の成長に直接的に連動します。その性格上、米国の全体相場が急落した際に大きな損失を被るリスクがあります。一方、オルカンも米国株の比重は高いものの、全世界の株式に分散投資しているため、S&P500連動型よりリスク分散効果が高いと言えます。分散投資をより重視するかで選択は変わってきますが、大統領選後の米国市場の成長が期待されるなかでS&P500連動型は注目度が増しそうです」
さらなるブーム到来に備えて資金を投じるべきか、早いタイミングでの判断が重要になりそうだ。
※週刊ポスト2024年11月22日号