今、ビール業界で熾烈なシェア争いが巻き起こっている。背景にあるのが、2020年9月から段階的に始まった「酒税改正」だ。狭義の「ビール類」が減税され、「発泡酒」「第3のビール」の税額が上がっている。昨年10月にも税額改正があり、「ビール回帰」の動きが鮮明になってきた。そうした流れを受けて、アサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビールの飲料大手4社はビール類で新商品を送り込んでいる。
「サントリーは昨年4月に発売した『サントリー生ビール』が売れ行き好調。これまで苦戦していた中価格帯で存在感を見せ始めています。今年の大ヒットとなったのがキリンの『晴れ風』です。女性や若者をターゲットにしたライトな飲み口やQRコードを使った新しい施策『晴れ風ACTION』がハマって予想以上の売れ行きを記録しています」(大手紙経済部記者)
サントリー・キリンの手応え
サントリー、キリンビールはともに新たな“看板商品”に手応えを感じているようで、商品の反響について、
「『サントリー生ビール』は、飲みやすさと飲みごたえを両立した中味への高い評価に加え、業務用の瓶・樽発売(2024年3月)が奏功し、2024年1~9月の累計販売数量は対前年151%と大きく伸長しました。また、業務用の瓶・樽の取り扱い店舗数は、19000店(9月末時点)を突破し、手ごたえを感じております」(サントリーホールディングス広報部)
「おかげさまで発売以降、好調に推移しております。発売1か月で年間目標の4割を超える200万ケース(大びん換算)を突破。発売1か月の販売数量は、キリンビールの過去15年のビール類新商品の中でNo.1です。主な好調要因としては、『飲みごたえ』と『飲みやすさ』を両立した、新しいおいしさが高評価であったことや晴れ風ACTIONへの共感などがあります」(キリンホールディングス広報部)