投機への欲望は抑えつける必要はない、しかし…
オプション口座を開設するとき、受付嬢は「個人投資家の90%はヤラれてしまうんですよ」と言っていた。(またカモがヤラれに来た)という受付嬢の心の声が聞こえるようでもあったが、自分はヤラれないほうの「10%」だと信じていた。
「株はそこそこ勝って儲かるが、ワラント(懲りずにまだ続けていた)やオプションで大損する」という状態は2002年頃まで続いた。
欧米の投資家を描いた名著『マーケットの魔術師(株式編)』(ジャック・D・シュワッガー、パンローリング)にある、私が尊敬するスチュアート・ウォールトンの言葉を引用してみたい。「ギャンブルしたいという衝動があるのです。これを満足させなくてはならないのは、ずいぶん前に悟りました。しかし、限定的な方法でなければならないと思っています。従って、ファンドの中には少額の資金を用意して、この衝動を満足させられるようにしています」
ギャンブル的な衝動は無理に抑えつける必要はない。ただし、「限定的な方法で」「少額の資金」で満足させなければいけないのだ。それなのに、私はメイン口座でギャンブルをしているのだから、話にならない。日経225オプションでは1996年の儲け分をすべて飛ばしていた。
投資のすぐそばにはギャンブルという魔物が寄り添っている。自分が魔物にたまらなく魅力を感じてしまう気質だということも。
何度痛い目に遭っても学ばない、博打気質のせいで2002年頃まで資産は600万円から1000万円の間をずっと推移することになる。
株仲間と話すと「何か知らんが、www9945はいろいろな金融商品のことをよく知っている」と言われるのは、常識人が手を出さない投機的な商品に欲に駆られ何度も手を出し、痛い目に遭ってきた経験があるからだ。
多分、ギャンブルへの衝動は多かれ少なかれ誰にでもあるだろう。その衝動を無理に抑えつける必要はないが、だが、くれぐれも「限定的な方法で」ということだけは忘れないで欲しい。