ママ友コミュニティーが温床になる可能性も
闇バイトの入り口には、SNSやネットのほか「口コミ」というケースもある。
「闇バイトに応募すると、“○万円の紹介料を払うから友達を紹介して”と依頼されるケースが増えているようです。子供を持つ主婦がこの依頼に応じた場合、ママ友コミュニティーが闇バイトの温床になってしまう可能性があります。《運ぶだけで〇万円》という話には怪しさを感じつつも、仲のいいママ友から“私もやっているから”と言われれば、話に乗ってしまう危険性もあるのではないでしょうか」(石原さん)
途中で怪しい儲け話だと気づいても、そこに目をつむる主婦は少なくないという。彼女たちが犯罪に加担してしまう背景には、複雑な心理が働いているようだ。
「ちょっといい服やアクセサリーを買いたいけれど、夫を頼ったり家計に負担はかけたくないと思うのが、多くの主婦の考えです。
そうした状況下で、手軽に高額報酬が受け取れる話に手を出してしまうのは、心理学における『合理化』のメカニズムが働いていると考えられます。合理化とは、都合の悪い現実をもっともらしい理由を付けて正当化していくこと。たとえば“私は言われた荷物を運ぶだけで、中身を知らない”“家計に負担をかけたくないから仕方がない”などと理由を付けて、犯罪に加担している現実から目を背けるのです。犯罪を重ねて合理化を繰り返すと、罪の意識も薄れていきます」(出口さん)
転落への一歩を踏み出してはいけない。
(前編から読む)
※女性セブン2024年11月28日号