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「毎月30万円お渡しできます」オバ記者が約40年前の苦境時に“怪しいバイト”に応募した顛末 そこで学んだ「顔の見えない人と仕事をしたらダメ」の教訓

「そっか。あんたも大変だねぇ。じゃ、明日、電話待っているからね」と男は私を解放してくれたんだけど、本当に怖くなったのはドアの外に出たときだ。男は私が逃げないように、内側から2か所、ドアの鍵をかけていたの。

 あれから約40年が流れて、テレビでは闇バイトのニュースが連日流れている。捕まった姿を映し出されるのは、事件の凶悪さと半人前の顔つきが一致しない若造ばかりだ。「こんな子が強盗殺人? なんで?」と毎回首をヒネってしまう。

 あのときの私は、男の欠けた前歯をひと目見て「ヤバい!」と察して逃げたけど、いまは採用から現場の指示まですべてSNSで、主犯格の顔は見えないままだ。「顔の知らない人について行っちゃダメ」の次は、「顔の見えない人と仕事をしたらダメ」と教えないといけない時代なのかもね。

【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。

※女性セブン2024年11月28日号

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