国民民主党の玉木雄一郎代表の不倫が写真週刊誌『FLASH』のウェブ版『Smart FLASH』にて報じられ、大きな注目を集めている。同党の議員も会合やSNSで苦言を呈したものの、玉木氏の代表辞任という結論にはならなかった。また、ネットの声を見ても批判は当然ありつつも「そんなことより減税に取り組め!」というような意見は少なくない。不倫報道に対する空気感の変化について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察する。
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2010年代中盤、「文春砲」を中心に不倫報道が登場するとネットは大盛り上がりで、テレビもこぞってその話題を後追い。撮られた著名人は次々と降板や活動自粛に追い込まれました。その中でも重いペナルティを課されたのが「ゲス不倫」のベッキー、「クローゼットに間男」を隠していた矢口真里、そして「多目的トイレ」のアンジャッシュ・渡部建の3人でしょう。
大罪を犯したかのような神妙な表情で会見を行うものの、ネット上のバッシングは収まらない。ベッキーの場合は、相手の川谷絵音とのLINEのやり取りで文春のことを「センテンススプリング」と書いたワードセンスなども含めて娯楽として消費された感はありましたが、それまでの“元気な清純派”的イメージが崩れたことから長期間の活動自粛となりました。まぁ、ベッキーは独身で相手が既婚者だったんですけどね……。
矢口は約3年間の自粛期間を経て日清食品カップヌードルのCM『OBAKA’s UNIVERSITY』に登場。このCMは「バカなことを良しとする」というコンセプトのもと制作されたもので、学長役はビートたけし。矢口は「危機管理の権威」として「二兎を追う者は一兎をも得ず」と講義で語り掛けました。これは制作者からすれば「過ちをした者にセカンドチャンスを与える」といった寛容な心を視聴者に期待したのでしょう。だが、日清に抗議が殺到して1週間でお蔵入りに。
渡部については、あまりにも女性を「性のはけ口」扱いしていると大ブーイングを浴び、特に女性からの評判が大いに下がりました。3人とも活動自粛を余儀なくされたわけですが、彼ら/彼女らからすれば「なんで玉木代表という公人がこの程度のペナルティでいいいの?」と言いたくなる気持ちも少しはあるかもしれません。まあ、人気商売の芸能人の場合、政治家への反応とは違った面もあるでしょうが。