政治評論家、妻、母など、いくつもの顔を使い分けながら、言葉を使った仕事を続ける金子恵美さんに、相手に合わせた会話のコツをうかがった。
議員時代は相手の意をくみ取る努力を
衆議院議員を経て、現在はテレビなどで巧みな話術を披露している金子さん。議員時代は性別や年齢、立場の違う相手との会話に苦労したのではないかと思われるが……。
「自然体で話しつつも、常に相手の意向をくみ取ろうと、気遣いや観察を欠かさないようにしていましたね。年齢や党派の異なる人たちと話すことが多かった議員時代に培われた感覚だと思います」(金子さん・以下同)
あらかじめ話す相手が決まっている場合は、事前にリサーチして臨むことはもちろん、さまざまな話題をふって、相手が興味を示すストライクゾーンを探すという。それがわかれば、あとはそこを徹底的に攻めればいい。
「会話は“水もの”ですから、思わぬ方向に流れ、それが私のよく知らない分野であることもあります」
その場合は、聞き手に徹し、思いつく限りの質問を投げかける。
「相手に存分に語ってもらうことになりますから、語ったご本人には、“自分の意見をたっぷり聞いてもらった”と満足していただけることも少なくありません。これも効果的な会話術の1つといえるのではないでしょうか」
テレビや私生活では腹を割って自虐も
テレビの情報番組では、私生活に立ち入ったトゲのある質問を投げかけられることも。たとえば2016年、当時衆議院議員だった夫・宮崎謙介さんが起こした不倫スキャンダルだ。
「答えにくい質問も随分されましたね(笑い)。嫌な質問には答えないというやり方もありますが、私の場合、必ず一度はそれを受け止めることにしています。ただし、できるだけ短時間で受け流し、その後で自分の主張をします」