定年後に賃金が下がったケースは申告漏れに注意
働き続ける人のための給付もある。定年後も働く人で給料が下がった場合は高年齢雇用継続基本給付金がある。
「60歳以降の賃金が60歳時の75%未満になると、減った分の一部が雇用保険から補填されます。現役時代の賃金が月30万円で再雇用後が月18万円の場合、2万7000円が補填される。基本的に企業側が申請手続きをしますが、中小企業等では手続きが漏れることもある。
今年、定年を迎えて再雇用などになった人は早めに要確認ですし、昨年よりも賃金が下がって60歳時の75%未満になっているケースは申告漏れになりやすい。気になる点は勤め先やハローワークに問い合わせましょう」
再就職や資格取得を目指す人は、ハローワークが窓口の求職者支援制度が助けになる。
「世帯収入が月30万円以下などの条件を満たせば、月10万円の給付金を最長2年間得ながら、無料の職業訓練を受けられます。ITや医療事務、デザインなど多様な訓練コースがあり、定年後にアルバイトをしながら再就職を目指している人も給付を受けられます」
さらなるスキルアップを目指す人は教育訓練給付制度を活用したい。
「厚労大臣が指定する約1万6000種類に及ぶ教育訓練を受講・修了した場合に、その費用の一部がハローワークから支給される制度です。今年10月に助成率が最大80%に引き上げられ、最大3年間で192万円を受け取れます。雇用保険の加入者が対象ですが、給付金の拡充を機に人気資格は枠が満席になるものも多く、希望者は早めに申請すべきです」
※週刊ポスト2024年11月29日号