次に【2】の点ですが、例えば先行トラックの積み荷の砂利が飛んできた場合、運転者は積み荷が走行中に落ちないように積載する義務に違反したことになり、過失があります。並走車両が路上の石を撥ねて飛ばした場合には難問ですが、小石が散乱している場所であれば、高速で走行すると石を撥ね飛ばすことは予見できるので、慎重な運転をせずに走行した場合などは、過失が認められると思います。
そして、【3】の点ですが、道路管理者は自動車走行に対して通常期待される安全性を維持しなければならず、安全な走行を困難にしている道路上の障害物があるときは、除去する責任が生じます。頻繁な自動車走行が予想される国道で、飛び石事故発生の原因となるような石を放置していた場合には、道路の管理に瑕疵があったと判断され、飛び石事故による損害を賠償する責任を負うことになります。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2024年11月29日号