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大前研一「ビジネス新大陸」の歩き方

チャットGPT、Gemini、Copilot…“秒進分歩”で進化し続ける「生成AI」の世界 これから重要なのはプログラミング能力よりも「AIに何をやらせるか」

オープンAIの日本拠点開発について会見するブラッド・ライトキャップ最高執行責任者(COO、左)と日本法人の長崎忠雄代表(時事通信フォト)

オープンAIの日本拠点開発について会見するブラッド・ライトキャップ最高執行責任者(COO、左)と日本法人の長崎忠雄代表(時事通信フォト)

プログラマーの仕事はいずれなくなる

 とはいえ、今のところ生成AIは発展途上だ。

 たとえば、チャットGPTが誕生して間もない2023年2月の時点では、日本語で「大前研一について教えて」と入力すると回答が毎回違い、私が東京大学を卒業していたり(実際は早稲田大学理工学部卒業)、漫画家になったり、一橋大学や慶應義塾大学の教授になったりしていた。

 それから1年8か月が経過した2024年10月の時点でも、まだ東京工業大学工学部卒業(実際は同大学院で修士号取得)、MIT(マサチューセッツ工科大学)で原子力工学の修士号を取得(実際は博士号を取得)など、あちこち間違いがあった。

 生成AIは蓄積されたデータを学習するので、ユーザーが利用すればするほど回答の幅が広がり、正確になっていく。たとえば、2023年2月に「東京の美味しいラーメン店を教えて」と入力したら、実在しない支離滅裂な店名を答えてきたが、2024年10月は実在する人気店を挙げてきた。今後さらに精度が上がっていくことは間違いない。

 しかも、チャットGPTはプログラミングもできる。単なるコーディング(ソースコード作成)なら、易々とこなせる。いま単純にプログラミングをやっているだけのIT技術者たちは、これからチャットGPTに置き換えられてしまうだろう。

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