LINEのID、通話催促のタイミングがおかしい
Aさんのように、「いきなり告白」、通称“イキ告”をされる人は女性に限らない。医療従事者の30代男性・Bさんは、LINEのIDなど連絡先を聞かれたり、通話に誘われたりするタイミングについて戸惑いを感じた経験を振り返る。
「たいして会話が盛り上がってないのに、2~3往復ぐらいのやりとりで、いきなり連絡先を聞かれ、さらには通話で話したいと誘われて驚きました。メッセージで『もうちょっと仲良くなってから』とかわしても、相手は『もう好きかも』と告白してくるし、『電話で話さないとわからない』『遊びじゃないなら顔が見えたほうが安心』など、強引に詰めようとしてくるのが怖かったです」
Bさんは「連絡先を聞かれないほうが信頼できる」と語る。
「とにかく連絡先を確保しようと必死すぎる人がいるけど、怖い。人それぞれで、タイミングの好みはあると思いますが、個人的には初対面で気が合ったら……ぐらいがちょうどいいです。距離を縮めようとされすぎると、いざ付き合った時もめちゃくちゃ束縛されそうで……」(Bさん)
慎重になりすぎて「友達探しアプリ」に?
距離感に慎重になりすぎるあまり、結局恋愛につながらないケースもある。メーカー勤務の20代女性は、「マチアプは、終わりがない」と言う。
「何回やり取りをしたら会えばいいのかがわからないんです。3回ぐらいで会うのも怖いし、かといって何十回というのも非現実的な気がするし。趣味が合ったら友達関係でもいいのに、常に恋愛や結婚を意識しながらやり取りをするのはしんどい。距離感がわからなくて、やり取りは薄っぺらくなるし、そうすると相手が私のことをつまらない女だと思うみたいで、いつの間にか消えています(笑)。
出会いがあるというけど、その分その後の関係を築くのが難しすぎる。たくさんの相手のなかから、距離感の相性が合う相手を見つけるのは、結構至難の業だなと思います」
マッチングアプリによって手軽に出会いやすくなる一方、恋愛前提という縛りを抱えているがゆえに、距離感がかえって難しい問題になっているようだ。(了)