捕手のFA補強は本当に必要か?
もちろん、巨人にも年俸に比して高いパフォーマンスを見せた選手はいる。今季ブレイクした井上温大は投手でベスト1位(ワースト348位)。登板1イニングあたり6.63万円という驚異的な水準だった。オフの契約更改では球団史上歴代6位の407%アップで年俸670万円から年俸3400万円となった。大幅アップした来季の年俸で計算しても、今季の成績を残せば1イニングあたり33.7万円でベスト50位(ワースト298位)の水準でいられる。
野手では門脇誠が1400万円アップの年俸4500万円、浅野翔吾が570万円アップの年俸1800万円で契約更改。門脇は1安打あたり36.5万円でベスト53位(ワースト267位)、浅野は同37.5万円でベスト55位(ワースト265位)だった。来季の年俸で今季と同じ活躍だと、門脇の順位は25下がり、浅野も24下げることになるが、こちらは純粋に成績を伸ばすことが期待されてのアップということになるだろう。
大城卓三、小林誠司を抑えてチーム最多の72試合でマスクをかぶった岸田行倫も、年俸2150万円から倍増の年俸4300万円になった。岸田は1安打あたり33.1万円でベスト44位(ワースト276位)。年俸が倍増すると同じ成績なら1安打あたり66.2万円で順位を48下げることになるが、FAで巨人に移籍の可能性があるソフトバンクの捕手・甲斐拓也は1安打あたり238.6万円(ワースト116位)。甲斐はFA移籍すれば現状の2億1000万円の年俸が上がることになるため、同じ成績なら打者としてのコスパはさらに悪化する。捕手には打者としての評価以外の尺度も多いが、補強が必要なのかの議論は続くことになるだろう。
年俸に応じた働きができたかを精査されるのがプロの世界。今季、一軍でプレーした打者たちの働きについては、別記事『全一軍出場野手319人の「1安打あたりの年俸」ランキングを一挙公開 ワースト1位は「年俸2億円で3安打」』ですべての選手のデータを掲載している。