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「実家の母が固定資産税を滞納しています…」金銭的な余裕がなく支払いができなかったらその末路はどうなるのか【弁護士が解説】

 具体的には登記簿に滞納処分で差し押さえたとの記録が記載されます。差押え登記のある不動産は、その解除をしないと事実上、売却等ができなくなります。

 滞納処分では、差押えに引き続いて公売がされます。公売とは役所が行う競売です。最高価額で入札した人に売られることになります。そしてその代金を滞納した税金に充てるという仕組みです。

 しかし、不動産が銀行融資の担保になって抵当権登記が差押えの前に設定されていれば、役所の差押えは後回しになります。

 借入残高が多額で、公売しても税金の回収ができない場合は、積極的に公売せず銀行融資の返済が進むのを待つこともあります。その場合でも給与をもらっていないかや預金がないかなどの調査をして、財産が見つかれば差し押さえ、預金などを取り立てて税金を回収します。つまり、納税の滞りを放置しておくと高率の延滞金がかかり、最後には財産を失うことになってしまいます。

 こうした状態を避けるために、いまの支払い困難の原因が病気や失業などの一時的なものであれば、役所に徴収猶予を申請することをおすすめします。

 将来の支払いも困難であれば、実家を売却し、税金を支払った残金を次の住まいに充てる方法もあります。現状を整理し、お母さんと相談してみてはいかがですか。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2024年12月19日号

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