一方、18-19日の日本銀行による金融政策決定会合での利上げ実施観測は、11月末の植田和男日銀総裁の発言時点よりは下がった感はあるが、今週発表される第3四半期実質GDP(二次速報値)など経済データ次第で、利上げ観測が再燃する余地は十分ある。17-18日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されることから、11月の米消費者物価指数など米経済指標への関心も高まろう。先週は韓国情勢の急変によってリスク回避の円買いが強まったが、今週は日米中銀会合への思惑でドル・円が上下に振れる展開を想定する。日経平均採用銘柄では、自動車など輸出関連銘柄や円高メリット銘柄などが上昇・下落ランキングに顔を出しそうだ。
日経平均は、75日移動平均線(38349円)、200日移動平均線(38677円)、25日移動平均線(38736円水準)を上回っている。これらの水準をそろって上回るのは11月12日以来のことで、日経平均の短期的なトレンドは悪くないと言えよう。一方、プライム市場の売買代金は、3日に5兆円台をつけた以外は4兆円前後に留まっており、週末6日はわずか3.5兆円ほど。今週週末のメジャーSQを通過すると、海外投資家の多くはクリスマス休暇入りすることから、プライム市場の売買代金は減少する見通しだ。今週、メジャーSQに絡んだ思惑売買で瞬間的に4万円台を付ける可能性はあるが、4万円台を維持して、さらに一段高を狙うような商いを伴った強い展開は来年2025年相場に持ち越しとなろう。
今週にかけては、日本では9日に11月景気ウォッチャー調査、第3四半期実質GDP(二次速報値)、10月国際収支、10日に11月マネーストックM2、11日に第4四半期景況判断BSI、11月国内企業物価、13日に12月日銀短観、10月鉱工業生産(確報値)などが予定されている。
海外では、9日に中・11月生産者物価指数、消費者物価指数、10日に豪・中銀政策金利、独・11月消費者物価指数(確報)、11日に南ア・11月消費者物価指数、10月小売売上高、米・11月消費者物価指数、週次原油在庫、12日に豪・11月雇用統計、欧・ECB政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、11月生産者物価指数、13日に英・10月GDP、鉱工業生産指数、製造業生産高、貿易収支、欧・10月ユーロ圏鉱工業生産指数、米・11月輸入物価指数などが予定されている。