木原:すべての投資で為替リスクを負うのは、リスクを取り過ぎだと僕も思います。全部である必要はありませんが、日本にいるなら円建てのリスク資産にも投資をした方がいい。
エミン:多くの人は円安が進むことで円建て資産が目減りするのを不安視しているけど、円安で目減りするのは円建て資産じゃなくて円だけです。たとえ1ドルが500円や1000円になったとしても、それ以上に日本の株価は上がります。
S&P500やオルカンが魅力的だから全振りしたいと言う人を止めるつもりはありませんが、日本円の価値が目減りするという理由でS&P500やオルカンを選んでいるなら、その必要はないんです。日経平均株価やTOPIXだって、十分魅力的な投資対象です。
※エミン・ユルマズ氏、木原直哉氏の共著『「確率思考」で市場を制する最強の投資術投資』を元に一部抜粋して再構成
【プロフィール】
エミン・ユルマズ/エコノミスト、グローバルストラテジスト。レディーバードキャピタル代表。1980年生まれ、トルコ・イスタンブール出身。1996年に国際生物学オリンピック優勝。1997年に日本に留学し東京大学理科一類合格、工学部卒業。同大学院にて生命工学修士取得。2006年野村證券に入社し、M&Aアドバイザリー業務に携わった。2024年レディーバードキャピタルを設立。ポーカーネームは、JACK。著書に『エブリシング・バブルの崩壊』(集英社)、『世界インフレ時代の経済指標』(かんき出版)、『一生使える投資脳のつくり方』(扶桑社)、『エブリシング・バブル終わりと始まり 地政学とマネーの未来2024-2025』(プレジデント社)など多数。
木原直哉(きはら・なおや)/プロポーカープレイヤー。北海道名寄市出身。2001年に東京大学理科一類に入学。2012年WSOP $5000 Pot-Limit Omaha 6-Handedで優勝し、日本人初のブレスレットホルダーに。著書に『東大卒ポーカー王者が教える勝つための確率思考』(KADOKAWA)、『運と実力の間』(飛鳥新社)、『たった一度の人生は好きなことだけやればいい!東大卒ポーカー世界チャンプ 成功の教え』(日本能率協会マネジメントセンター)、近著にエミン・ユルマズ氏との共著『「確率思考」で市場を制する最強の投資術』がある。