2024年は新NISAがスタートしたこともあり、高配当株や大型株への投資が注目を集めた。一方で、「せっかく利益が非課税になるんだから、株価成長を取りに行く方が圧倒的にオトク」と指摘するのはプロポーカープレイヤーで個人投資家の木原直哉氏。木原氏は新NISAの活用方法をどう考えているのか。
木原氏とエコノミストのエミン・ユルマズ氏との共著『「確率思考」で市場を制する最強の投資術投資』(KADOKAWA)より、新NISAの活用術を紹介する。
新NISAの効果を最大化する方法
エミン:難しいことを考えるとキリがありませんが、投資はシンプルにとらえていいと思うんです。たとえば、5年後に売上が5倍になると思える企業があれば、株価も5倍になると考えていいんですよ。その企業のシェアや市場の成長性を考えれば、個人投資家にだってある程度の成長ストーリーは描けるはずです。
そのストーリーにもとづいて投資をして、あとはそのストーリーが生きているかだけを定期的に確認して、余計なことはしないでとことん付き合えばいい。しかも今は新NISAという素晴らしい制度がある。まさにストーリー投資にぴったりのしくみですよ。
木原:僕もそう思います。でも、NISAでは長期保有できる銘柄に投資しようなどといって、高配当銘柄や株価のボラティリティが少ない大型株を買いたがる人が多くないですか?
それってちょっと残念な使い方だなあと思うんです。せっかく利益が非課税になるんだから、株価成長を取りに行く方が圧倒的にオトクですよ。NISA枠をいっぱいにできる資金がない人は別ですが、はみ出すぐらいの投資ができる人なら大型株や高配当株はNISAの外の特定口座でいい。
エミン:NISAは何がいいかというと、非課税にできる利益の額に上限がないことです。個別株に投資できる額は1200万円までという制限がありますが、それが2倍になろうが100倍になろうが、利益には課税されないんです。1200万円を10倍にできれば、1億円以上の利益が出る。本来ならそこに課せられる2000万円の税がゼロになるんですから、数%の配当を非課税にするよりもずっと有利だよね。