日本を代表する料理で、家庭ごとに味があるといっても過言ではないのが「味噌汁」。しかし味噌の一世帯当たりの年間購入量は年々減り続けている。総務省「家計調査」によれば、2001年の一世帯当たり(2人以上)の年間購入量は約8000グラムだったが、2020年には約5260グラム、2023年には約4430グラムにまで減少している。単身世帯の同データはないが、2人以上でこうなのだから、言わずもがなだろう。
“日本人の味噌汁離れ”ともいえる事態。「そういえば味噌汁を作っていない」という人たちの、生活のリアルを追った。
コスパが悪いし作り置きもしづらい
都内で一人暮らしをしている会社員・Tさん(30代男性)は、食生活は基本的に自炊だが、味噌汁については「一人暮らしだとコスパが悪い」と言う。
「実家にいた頃は親が毎日味噌汁を作る人だったのですが、一人暮らしを始めてから、自分で作ったことはないです。味噌汁って、わざわざ一人分を作るのが面倒だし、具材をそろえるのもコスパが悪いというか。豆腐だけでもいいといわれても、だったら豆腐をそのまま食べちゃうし……。しかも、作り置きがしづらい。家族が3~4人以上いる家ならまとめて作れるのでコスパもいいんじゃないでしょうか。
味噌汁そのものは好きですよ。一汁三菜とか一汁一菜とかいいますが、その『一汁』がもはや贅沢品な感じです」
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