中学受験を選択しなかった場合に待ち受ける「高校受験」。公立高校と私立高校が選択肢となるが、志望校合格までにどのような選抜をくぐり抜けることになるのか。フリーライターの清水典之氏が、受験情報の専門家への取材を基にレポートするシリーズ「“中学受験神話”に騙されるな」、複雑な高校受験の仕組みと、その対策について紹介する。【第6回】
* * *
「中学受験に参入されている親御さんから、『高校入試って“全落ち(受験した学校に全部落ちること)”したら、進学する学校がなくなりますよね? 怖くないですか?』と聞かれることがよくあります。中学受験では、併願戦略に無理があって全落ちするケースがあり、それでも公立中学校には進学できるので、高校受験に対してそうした恐怖感を抱かれるようです。
しかし、それは高校受験の仕組みを知らないからで、実は高校受験には必ず1校の合格を確保できる仕組みがあります。何十年にもわたる研鑽で、行く学校がないという事態を防ぐ仕組みができあがっています」
そう語るのは、『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと』(Gakken)著者で、Xアカウント「東京高校受験主義」で4万8000人のフォロワーをもつ塾講師の東田高志氏である。
具体的にどんな仕組みになっているのか。ここでは東京都を例に説明するが、全国的に似たようなシステムになっているという。