上場企業の社外取締役に…多くの「天下り先」
天下り先も多い。東証プライム市場上場の日本証券金融には、10代連続で社長に日銀理事経験者が天下っているほか、会長と執行役員が日銀OBだ。同社の大株主の投資ファンドから「企業価値を損ねる天下りだ」と批判されている。
本誌・週刊ポストの調べでは、ほかにも、富山銀行、フィデアホールディングス(荘内銀行と北都銀行の持ち株会社)、七十七銀行、SBI新生銀行、群馬銀行、京葉銀行などの金融機関をはじめ、多くの上場企業の社外取締役などに日銀の幹部OBが天下り。
さらに、金融機関の短期資金取引や為替取引を行なう日本の短資会社3社(上田八木短資、セントラル短資、東京短資)のすべてに日銀OBが再就職している。
日本証券金融、銀行、短資会社はいずれも日銀に当座預金口座を持つ取引先で、日銀が日銀法に基づいて「考査」と呼ばれる経営内容のチェックを行なう対象企業だ。日銀の“優越的地位”を利用した天下りではないかとの批判が絶えない。
日銀マンは高給や手厚い手当に加え、退職後も高額な企業年金や天下り先まで用意されている。これほど恵まれていれば、利上げしても生活には困らないだろう。
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