「もっと早く利用するべきだった」と後悔
訪問診療の存在を知らず、老親の通院の付き添いや自宅での看病に苦労し、家族が疲れ果ててしまうケースは多いと田代氏は言う。
「認知症が悪化してかかりつけ医に通えなくなり、ご家族が『来てください』と駆け込んでくるケースがあります。もっと早く訪問医療を利用するべきだったと後悔する人をたくさん見てきました」
地域にどんな訪問診療医がいるかわからない場合、自治体が設置している「地域包括支援センター」に問い合わせる方法がある。同センターに相談すると介護保険のケアマネジャーや保健師・社会福祉士などからサポートが受けられるため、訪問介護や通所介護など、介護保険サービスにつながりやすくなる。
病院に行かず、医者に来てもらう──それが当たり前になる時代がすぐそこにきている。
※週刊ポスト2025年1月3・10日号