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「同じことが絶対に起きてはならない」弁護士の心に残った裁判 最高裁大法廷が全員一致で違憲を認めた『旧優生保護法』

 憲法13条は、国民が個人として尊重され、生命、自由及び幸福追求に関する権利の尊重も国に求めていますから、明らかな憲法違反です。また、障害者を差別することは、法の下の平等を定めた憲法14条にも違反しています。

 驚くのは昭和23年に、この法律が衆参両院の全議員の賛成で成立し、その後、50年近く維持され、さらに法改正後も国連の人権規約委員会から被害者の補償体制がないことを批判されるまで放置されていたこと。終戦直後の貧しく、急激に人口が増加していた時代背景もあり、同一視はできませんが、ナチスの『断種法』と同じことを戦後の日本が行なっていたのを知り、不勉強を恥じ入りました。

 将来、同じことが絶対に起きないよう注意しなくてはなりません。

【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。

※週刊ポスト2025年1月3・10日号

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