元外資系航空会社キャビンアテンダント(CA)という異色の経歴を持つお笑い芸人・CRAZY COCOさん(以下、COCOさん・38)。前編記事では、彼女が芸人になるまでの道のりや、TOEICリスニング満点を取った英語勉強法などについて紹介した。
COCOさんが約3年前にスタートしたYouTube「CRAZYCOCOチャンネル」は、今や登録者数33万人超の人気チャンネルに成長しており、動画のテーマも仕事や人間関係の相談から、食や健康、英語の上達法など多岐にわたる。同チャンネル内のCAネタが中心のショート(短い動画)も人気で、再生回数596万回に達した回もある。後編記事では、国内外の航空会社の現役社員からも絶大な支持を集め、いまや現役CAの“お悩み駆け込み寺”にもなっているYouTubeチャンネルのエピソードなどを聞いた。【前後編の後編】
現役CAのカスハラ体験を“成仏”させる企画
昨今、カスタマーハラスメントが社会的な問題になっており、2024年6月にANAグループとJALグループが共同で「カスタマーハラスメントに対する方針」を策定するなど、航空業界も対策に本腰を入れているが、それ以前から日系、外資系を問わず、現場の声がCOCOさんの元に寄せられているという。
とりわけ、YouTubeチャンネルで“現役CAから顧客へのクレーム”を紹介した回は、大きな反響を呼んだ。
「インスタグラムのストーリーでGoogleフォームを使って、CAさんたちが叫びたいこと、立場上言いたくても言えないお客様への逆クレームなどをアンケートしたところ、受け付け開始から20時間で272件もの回答が届き、驚きました。その一部を動画で読み上げて、私がCAさんたちの悪念を“成仏”して差し上げるという企画でしたが、日系CA、外資系CAの両方から多くの声が集まりました。
『今一番、客に言いたい事』や『これだけはやめてくれ!と客に言いたい事』の項目では、シンプルに『召使ではございません』といった声もありましたが、機内に持ち込む荷物に関するクレームが最も多かったですね。機内に持ち込んだスーツケースをCAに座席上のハットラック(荷物棚)に持ち上げろと目で訴えてくる人や、なんならCAに直接『荷物を上げろ』と言ってきた人などの報告もありました」