市場規模は全盛時の半分となり、ホール店舗数もユーザー数も減り続けているパチンコ・パチスロ業界。はたして2025年にはどのようなトレンドが生まれるのか。パチンコ業界の動向を追った前編記事〈パチンコ業界「スマパチ限定のラッキートリガー出玉緩和」で“高射幸性の時代”に突入 一方で浮上する“楽しみたいユーザー”離れの懸念〉に続き、後編記事ではパチスロ業界の2024年を振り返り、2025年のトレンドを展望する。【前後編の後編】
パチンコ・パチスロの情報サイト『パチンコビレッジ』が12月16日に発表した「パチンコ・パチスロ販売実績2024」によると、2024年のパチスロ総販売台数は7万2100台で前年比96%。ほぼ横ばいという結果だった。
機種別のパチスロ販売台数ランキングでは、『押忍!番長4』(大都技研)が3万台で1位、『Re:ゼロから始める異世界生活 season2』(大都技研)が2万8000台で2位、『スマスロ ゴッドイーター リザレクション』(山佐)が2万4000台で3位だった。この3機種のほか、ランキング上位10機種すべてが、メダルを使用しないパチスロである「スマートスロット」、通称「スマスロ」の機種だった。このランキングについて、パチンコ・パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「2024年は完全にスマスロ優位の1年だったと思います。もちろん『ジャグラー』シリーズのような、根強い人気を誇るメダル機もありますが、新機種として導入される機種のほとんどがスマスロ。パチンコのスマート化はまだまだこれからという感じですが、パチスロのスマート化はかなり順調に進んでいると言えるでしょう」(藤井氏、以下「」内同)
しかし、この販売台数ランキング上位の2機種については、必ずしもユーザーから大きな支持を得たわけではないという。
「『押忍!番長4』も『Re:ゼロから始める異世界生活 season2』も、人気シリーズの新作ということで、ホールからもユーザーからも大きな期待の中でデビューしましたが、残念ながら稼働は期待されていたほどよくなかった。大量に導入したものの、早々に“通路”(その機種が設置してあるシマが空き台だらけになっている状態)になって困ったというホールも少なくありません。これら新機種の導入費用を回収しなくてはならないホールにとっては、悩ましいところもあるでしょう」