閉じる ×
ライフ

いまも60通の年賀状を手書きする83歳の父 年々枚数は減るけれど「相手の顔を浮かべながら書くのが楽しい」と語る姿から伝わる“充実した時間”

相手の顔を浮かべながら書くのが楽しい

 Aさんの父も昨年末には60枚ほどの年賀状を出している。それでも前年からはだいぶ減ったという。

「年齢も年齢なので、亡くなった同僚や同級生も多い。年賀状を出しても返事がないケースも増え、そういった相手には出さなくなったそうです。前年は80枚くらいの年賀状を出していて、今回は60枚程度とのこと。出す年賀状が減っていくのは寂しいと話していました」

 ここ数年、Aさんの父は、手書きで年賀状を書いているという。

「働いていた頃は何百枚もの年賀状を印刷していましたが、いまは全部手書き。メッセージの内容も全部違います。相手の顔を浮かべながら書くのが楽しいそうです」

 毎年12月になると、年賀状を書き始めるというAさんの父。80代の高齢者にとっては、やりがいのある作業になっているようだ。

「父はがんで何度か手術もしていて、かなり体力も衰えている。毎日散歩をしていますが、遠くまでは行けず、家の中でテレビを見て過ごす時間が長くなりました。そういったなかで、年賀状を手書きで書くという作業は、頭も手先も使うということで、いい刺激になっているみたいです。

 毎年12月は、じっくり時間をかけて年賀状を書いているので、とても充実していると話していました。すでに年賀状から離れている私自身にとっては、面倒な習慣だと感じる部分もありますが、父の姿を見ていると、豊かな時間があることに気付かされます」

 世の中の年賀状離れが進む一方で、年賀状を出すという習慣を大切にしている人もいる。来年配達される年賀状は、一体どのぐらいになるのだろうか。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。