●「安いときに買う」は「積立」で実現できる
積立とは、株価(価格)や為替相場などの一時的な動きに左右されず、淡々と資金を積み立てるための投資戦略だと説明してきました。要は、均すことでリスクを減らすというものです。
しかし、欲を出せば、価格が安いときにたくさん購入し、価格が高いときは少なめに購入できたら、もっともっと負けにくい投資ができるようになるはずです。さすがにそれは難しいよね……と思うでしょうが、ここには魔法のような方法があります。
その名も「ドル・コスト平均法」。「欲を出したら負け」が投資の掟ですが、こればかりは正攻法です。
投資信託などの金融商品は、日々価格が変動します。価格のチャートを見続けていれば、安いときに買い続けることができるかもしれません。しかし、すでに説明したとおり、感情に左右されて正しく投資ができなくなるのが人間の性です。チャートを見続ける時間もムダ!
これを避けるために、価格が変動する金融商品を、一定の金額で(=定額)、一定の時期に(=定期的に)買いつけるのが、積立投資です。
買いつけ金額を一定にしておけば、価格が安いときには買付量が必然的に多くなり、価格が高いときには買付量が少なくなるので、平均単価を抑えることができます。専門用語を使えば、これをドル・コスト平均法と呼びます。
ドル・コスト平均法をより詳しく理解するために、別掲のグラフをご覧ください。これは投資信託の、1口あたりの価格変動を表しています(わかりやすさを最優先して表現しています)。
このチャートで、2025年4月から2026年3月まで、毎月1日に1万円ずつ、12カ月で12万円を投資したと仮定します。
さて、2026年3月1日現在、あなたは得している(含み益がある)と思いますか? それとも、損している(含み損がある)と思いますか?