トランプ政権誕生で金利が上昇し、業績悪化が懸念
2024年11月25日に高値をつけた後、ラッセル2000の動きに大きな影響を与えたのが、12月18日のFOMC開催日です。
この会合では、トランプ次期政権による規制緩和や景気刺激策によるインフレ懸念を受け、2025年の利下げ見通しが4回から2回に減少。その結果、米国金利が上昇しました。
金利上昇により借入コストが増大し、特に財務基盤の弱い中小企業にとって負担が大きくなります。この影響を最も受けやすいのがラッセル2000を構成する企業群であり、その業績悪化の懸念が株価低迷の一因と考えています。
株価は期待を先行して動くため、見通しの変化に大きく影響されます。ラッセル2000が史上最高値圏で推移したのは、市場の楽観的な期待が背景にありました。しかし、その期待が揺らぐと調整局面に入る可能性が高まり、場合によっては深く、長期化することもあり得ます。
今回のチャート的な観点からすると、早い段階でラッセル2000がネックラインを上方ブレイクし、ダブルトップが否定される場合、2025年前半は好調な相場が期待できます。一方で、ネックラインが抵抗となり安値を割り込む場合には、主要指数にもその下落が波及する可能性もあるでしょう。
ラッセル2000の動向は、米国株市場全体の未来を占う重要な株価指数です。特に2025年は、その動きが他の指数や市場全体に与える影響を見逃せません。ネックラインやチャートパターンの変化を注視しながら、先行きをしっかり見極めていきましょう。
【プロフィール】
森口亮(もりぐち・まこと)/個人投資家、投資系YouTuber。1983年、埼玉県生まれ。元美容師。「Excelで決算数値を管理して、有望な成長株を中・長期的に狙う」という手法で資産を10倍に。その後も着実に資産を増やしている。著書に『1日5分の分析から月13万円を稼ぐExcel株投資』(KADOKAWA)がある。YouTube「毎日チャート分析ちゃんねる」やnote(https://note.com/morip)を日々更新中。