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宣伝効果絶大の箱根駅伝で“目立ちにくい”早稲田大学の不憫 優勝やシード権争いにも絡まずごぼう抜きもない「中継のエアスポット」にはまる理由

往路3位でゴールした早大5区の工藤慎作には「山の名探偵」の異名も(時事通信フォト)

往路3位でゴールした早大5区の工藤慎作には「山の名探偵」の異名も(時事通信フォト)

 なかでも早稲田は近年、印象が薄い年が続いているという。

「早稲田は歴代2位の優勝13回を誇る超名門ですが、すでに優勝から遠ざかること14年。連続出場は途切れず、その間のシード落ちもわずか2回ですが、14年のうち10回は4位から7位以内に収まっています。先ほど述べた“テレビに映りにくい順位”です。

 近年は異常なほどレースが高速化し、1万メートル27~28分台の選手を10人揃える必要がありますが、早稲田はスポーツ推薦の枠が狭いので、スカウティングの段階でライバル校に後塵を拝しており、優勝争いにはなかなか加われない。留学生枠も使わないので、爆発的なごぼう抜きランナーも現れず、区間賞を10年も取っていない。ただ、シード権の当落線上に落ちるほどでもない。かくして箱根駅伝中継で目立ちにくい存在になっています」(同前)

解説の瀬古氏らの“自重”も一因か

 一方で、別の事情もある。フリーのスポーツジャーナリストが言う。

「箱根駅伝の解説は長い間、瀬古利彦氏と渡辺康幸氏の早稲田OBコンビが務めていますが、特に瀬古氏は早稲田の話になると熱くなる傾向があり、何年か前の放送で『瀬古の早稲田びいきが酷い』といった苦情が殺到したこともあったようです。その反動か、瀬古氏も渡辺氏も“我慢して母校の話をするのを控えている”様子で、それも早稲田の印象が薄い一因じゃないでしょうか」(スポーツジャーナリスト)

 ちなみに他のスポーツでも、「実力・結果の割に目立たない順位」はある。

「分かりやすいのはオリンピックの4位でしょう。3位と順位は1つしか違わないのに、メダルが有ると無いでは天と地ほども差があるのは、報道の大きさを見れば一目瞭然。プロ野球では“偶数の順位はダメ”と言われています。2位は優勝を逃す、4位はAクラスを逃す、6位は最下位ということ。箱根駅伝で言うと、シード権を取れれば大成功ですが、宣伝効果という観点で見れば4位から6位あたりは“不憫な順位”かもしれません」(同前)

 Jリーグでも優勝争いより降格争いの方が盛り上がるのは、サッカーファンなら承知の通り。そういったことまで含めてスポーツは面白いのかもしれない。

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