“制服女子”を狙う卑劣な痴漢行為が社会問題化している。特に受験シーズンは、時間通り試験会場に着きたい学生は抵抗しないという前提での痴漢の多発が懸念されており、東京都では今年、1月15日から2月28日まで「受験期の痴漢撲滅キャンペーン」として、鉄道事業者などと連携し、警戒を強化する取組みを実施している。他方、制服を狙う痴漢の被害は、思わぬところでも起きるという。その一つが、“制服ディズニー”における痴漢被害だ。
学校の制服を着てディズニーリゾートへ遊びに行く“制服ディズニー”は、その言葉がメディアに登場した2000年代以来、中高生のみならず、大学生や社会人の間にも浸透。今やXでは「大人制服ディズニー」や「20代制服ディズニー」といったワードも散見されるなど、ディズニーの楽しみ方の一つとなっているが、その裏で痴漢被害が問題になっているという。
「私服では痴漢に遭わなかったのに…」
Aさん(18歳/埼玉県在住)が通う都内の私立女子高は、学校指定制服がない、いわゆる“私服校”。Aさん曰く、「高校時代の思い出づくりに『一度は制服姿で遊びに行きたいよね』という話になり、制服ディズニーを企画した」とのこと。それぞれ思い思いの制服をレンタルし、当日は朝早くディズニーリゾート最寄りの舞浜駅で集合したという。
そんななか、待ち合わせ場所にやってきた友人の表情が暗い。聞けば、「痴漢にあった」というのだ。Aさんが当時を振り返る。
「舞浜駅に向かう電車内で痴漢にあったそうです。私たちの高校は関東各地から電車通学する生徒が多い学校なので、友人たちとは住む場所もバラバラで、ディズニーに遊びに行く場合も現地集合にならざるを得ないんです。友人は、制服姿で1人のところを狙われたんだろうと思います」(Aさん)
「“思い出づくり”のイベントが一転、最悪の日になった」とAさんは語る。
「開園時間からパークに入りたかったので、朝早く集合する約束をしていました。そのため、通勤ラッシュに重なったんですよね。また、普段の私服通学の時にはそんな話を聞いたことがなかったので、明らかに制服が狙われているんだなとも感じました」(Aさん)